救急救命処置
今、テレビをつけると、長時間見ているわけではないのに土俵の上での救命処置を見ることになります。あの心臓マッサージは一見すると誰でもできるようにみえてしまいますが、実際には非常に困難です。最初の頃の映像だと患者さんは何か話しているようにも見えますが、手が硬直していくような感じからすると意識はなくなりつつあった、或いは意識はなかったと考えられます。
その時点で周囲にいた男性たちは、意識の確認はおろか、近づくことすらしていません。
おそらくはそうした状態に業を煮やしてあの女性は土俵に上がったのでしょう。
あの衆人環視の中で、意識と脈を確認し、そこから心臓マッサージを始めるには強い使命感と確かな技術が必要になります。医師であっても救急に携わっている、携わった経験のある医師以外にはなかなかすぐにはできないでしょう。
病名がくも膜下出血であったことから推測するとあの状態はinitial shockであったかもしれません。あそこで救命出来ていなければ、患者さんのその後は非常につらい状態になってしまいます。
同じ医療人として、あの勇気ある行動に敬意を表します。あっぱれ!