脳腫瘍とは
脳と脳を取り巻く組織に生じる腫瘍を総称して脳腫瘍と言います。発症する層は、乳幼児から高齢者まで、あらゆる世代にみられるのが特徴です。CTやMRIによる検査を行えば、ほとんどの脳腫瘍の診断が可能です。専門医が診れば、腫瘍の部位はもちろん、多くはその腫瘍の種類までわかります。
脳腫瘍の主な症状(慢性的な頭痛、吐き気や嘔吐、視力低下など)が見られたら、早めに 専門医療機関で検査してもらうことが大切です。早期に発見できれば、それだけ治療もしやすくなりますし、治療を受けて完治すれば、普通の生活に戻れます。
次のような症状の場合、ご相談ください
- 頭痛がする
- 頭痛とともに吐き気がする
- 手足のしびれや麻痺がある
- 言葉がうまく出ない など
神経膠腫(グリオーマ)
脳は神経細胞と神経線維、そしてその間を埋めている神経膠細胞から作られています。この神経膠細胞から発生する腫瘍を神経膠腫(グリオーマ)と呼びます。グリオーマは脳腫瘍の約25~30%を占めています。
グリオーマは、脳に発生する「がん」と考えられています。またグリオーマは、周りの脳に浸み込むように成長するため、正常な脳組織との境界がわかりづらくなるため、手術で全てを取り除くことは困難です。
この腫瘍は、手術で取り出された病変を顕微鏡で検査した結果で、その顔つきから、さらに4つの段階に分けられます。この段階は、治療成績と強い関係があります。段階が進むにつれて、治療の効果も下がってきます。
通常は再発を予防するために、術後放射線療法や化学療法などが行われます。
聴神経腫瘍
耳の奥で、平衡感覚に関係する神経を包む細胞から発生し、ゆっくり大きくなる良性の腫瘍です。大きくなると周りの神経や脳を圧迫します。ほとんどの聴神経腫瘍は片側に発生します。
髄膜腫
脳を被っている膜の細胞から発生し、やがて脳をゆっくり外側から押すように大きくなります。脳腫瘍の中でかなり頻度が高く、女性に多い腫瘍で、そのほとんどは良性です。脳ドックで症状がなく、偶然みつかることもあります。この腫瘍は、脳をカバーしている頭蓋骨に入り込むこともあります。
下垂体腫瘍
下垂体は、両目の間で鼻の奥にあるトルコ鞍と呼ばれる骨のくぼみの中に納まっているホルモンの中枢です。このホルモンは全身のバランスを司っており、たとえば子供が成長するときに必要な成長ホルモン、月経の周期をつかさどる性腺刺激ホルモンなどを、ここから全身の臓器に送っています。その下垂体の一部の細胞が腫瘍化したものが下垂体腫瘍です。脳腫瘍の中で第3番目に多い病気です。
転移性脳腫瘍
体の他の場所にできた癌が、脳に転移したものです。脳中にできるものが一般的ですが、脳の周囲にできることもあります。近年日本人の平均寿命が伸びると共に、転移性脳腫瘍は多く発見されております。特に肺癌、乳癌、消化器癌からの転移が多く見られます。
この転移性脳腫瘍は、脳の中に1つの病変を作る場合と、多数の病変を作ることがあります。まず脳転移の症状で発見され、あとから体のほかの場所のがんが見つかることもあります。
- MRI、CTの即日検査・診断を心がけております
※混雑状況により翌診療日以降となる場合がございます