物忘れ・認知症外来
物忘れを感じたら一度ご相談を
どなたでも年をとると「物忘れ」が増えていきます。物忘れには、通いなれているはずの道がわからなくなった、大切な約束を忘れてしまった、同じことを何度も聞いたりするようになった、今まで普通にやれていたことが急にできなくなったというようなケースがあります。このような症状は、単なる加齢によるもの(良性健忘)もありますが、軽度認知障害(MCI、健常と認知症の中間段階)の疑いも考えられます。また認知症の初期段階の場合もあります。そのため、いずれかを見極める診断が非常に大切になってきますので、「物忘れ」が増えてきたと思ったら、一度当クリニックの診察をお受けください。
このような症状にお心当たりがありましたら、ご相談ください
- ものの名前が思い出せなくなった
- しまい忘れや置き忘れが多くなった
- 同じことを繰り返す
- 妄想がある
- 家に帰ってこられなくなる
- 朝食を食べたことを忘れている
- 怒りっぽくなった など
認知症とは
認知症は、正常に働いていた脳の機能が低下し、記憶や思考への影響が見られる疾患です。認知症になると、物事を記憶することや判断する能力、時間や場所・人などを認識する能 力が下がるため、日常生活に支障が生じてきます。
「物忘れ」と似たような症状が認知症にはありますが、しかし認知症であったとしても早期に発見できれば、治療によって進行を遅らせることができます。物忘れを感じたら、お早目にご相談ください。
認知症はいくつかの種類に分けられる
認知症は単一の疾患ではなく、いくつもの種類が知られています。主な症状として4つありますが、そのうちの60~70%ほどがアルツハイマー型認知症で、約20%は脳血管型認知症と言われており、認知症の約9割がこの2大疾患で占められています。4つの症状とは、以下の通りです。
アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症は、アミロイドβ(ベータ)などの特殊なたんぱく質が脳に蓄積し、神経細胞が壊れて減ってしまうために、脳の神経が情報をうまく伝えられなくなり、機能異常を起こすと考えられています。また、神経細胞が死んでしまうことによって臓器でもある脳そのものも萎縮していき、脳の指令を受けている身体機能も徐々に失われていきます。アルツハイマー型は認知症のなかでも一番多いタイプで、男性よりも女性に多く見受けられます。
脳血管型認知症
脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など、脳血管性の疾患によって、脳の血管が詰まったり出血したりして脳細胞に酸素が十分にいき届かなくなり、神経細胞が死んでしまうことによって発症するタイプの認知症です。
レビー小体型認知症
レビー小体型認知症では、レビー小体(神経細胞にできる特殊なたんぱく質)が脳の大脳皮質(物事を考える場所)や、脳幹(生命活動を司る場所)にたくさん集まってしまいます。レビー小体が多く集まっている場所では、情報をうまく伝えられなくなるため、認知症が起こります。
前頭側頭型認知症
前頭葉と側頭葉が萎縮することによって起こるタイプの認知症です。若い人にも、発症が見受けられます。
認知症の治療について
認知症が完治する方法は、今のところ確立されていませんが、他の病気と同じように早期発見・早期治療に努めるのは重要です。認知症の治療法には、薬物療法と非薬物療法があります。
薬物療法
アルツハイマー型認知症の薬物療法には、認知機能を増強して、記憶障害や見当識障害(自分の置かれている状況がわからなくなる)など、脳の神経細胞が壊れることによって起こってくる症状(中核症状)を少しでも改善し、病気の進行を遅らせる治療と、周辺症状(不安、焦り、怒り、興奮、妄想など)を抑える治療があります。 脳血管型認知症では、脳血管障害の再発によって悪化していくことが多いため、「再発予防」 が重要となります。脳血管障害の危険因子である高血圧、糖尿病、心疾患などをきちんとコントロールするとともに、多くのケースで脳梗塞の再発を予防する薬が用いられます。
また、意欲・自発性の低下、興奮といった症状に対して脳循環・代謝改善薬が有効な場合もあります。抑うつ症状に対しては、抗うつ薬が使われたりもします。早い時期に薬物投与を始めると、より改善効果の高いことが知られていますので、認知症 についても、やはり早期発見と早期治療が大切になります。
非薬物療法
薬物を使わずに脳を活性化し、残っている認知機能や生活能力を高める治療法です。認知症と診断されても、本人にできることはたくさん残っています。まずは家庭内で本人の役割や出番をつくって(洗濯物をたたむ、食器を片つ゛けるなど)、前向きに日常生活を送ってもらうことが大切です。また、昔の出来事を思い出してもらう(回想法)、無理のかからない範囲で書き物の音読や 書き取り・計算ドリルをする(認知リハビリテーション)、音楽を鑑賞したり、演奏したり する(音楽療法)、花や野菜を育てる(園芸療法)、自分は誰で、ここはどこかなど、自分と自分のいる環境を正しく理解する練習を重ねる(リアリティ・オリエンテーション)などの方法が効果的です。ほかにも、ウォーキンク゛などの有酸素運動を行う(運動療法)、動物と触れ合う(ペット療法)などの治療が知られています。
- MRI、CTの即日検査・診断を心がけております
※混雑状況により翌診療日以降となる場合がございます